日記
「うなぎが食べたぁ~い!!」
少し前のお話ですが、
あるご入居者様とお話ししていたら、「もう生きていても仕方ない」というお言葉が。。。
その方は、移動などお一人で動くことが難しい方なのですが、意思ははっきりしています。
お部屋に入らせていただいて「何かしたいことはないの?」と尋ねてみると、
「ない」「生きていても仕方ない」と悲しいお返事が。
生きる希望が持てないのに生きているほど辛いことはないのでは・・・と思い、質問を変えて
「そっか、じゃあ、何か食べたいものはありますか?」と尋ねると、
「うなぎ!!」
「うなぎが食べたいの?」
「うなぎが食べたい!!」
「じゃあ、うなぎをご用意しましょうか?」
「うん!!」
普段は、ミキサー食をご自分で召し上がる方なのですが、もうここからは止まりません!!
「トキハのうなぎがいい。」「うなぎは刻んじゃダメよ、美味しくなくなるから」
「ご飯が下にないとダメ!!」「タレの味が付いたご飯!じゃないと美味しくない」
うな重への要望が高まります。
さっきまでの「もう生きていても仕方ない」の姿はありません。うな重を夢見て、輝いています!!
食べることへの情熱が目覚めます!!
そして、晴れて うな重 が目の前にやってくる日が!!
目の前に現れたうな重に、感極まって、もう泣きそうな表情に。
普段はスプーンを使ってお食事をするのですが、割りばしを手に取り、「これ開けて」
おっ、お箸で食べるの?!!
見事にお箸で、大きなうなぎをつかみ、頬張りました!!
もう夢中で、まだうな重のセッティング途中でも箸がのび、もう職員の声は一切聞こえていません。
エプロンにこぼれたタレ付きのお米粒も拾います。
この後、ご飯は半分残されましたが、うな重を堪能され大満足されました。
私たちが当たり前にできる「好きな時に好きなものを食べる」が小さな生きる喜びに繋がりました。
ちなみに、今回うなぎを約束し、ご用意させていただいた私は、「うなぎのお姉さん」と呼ばれています。