日記

2022-08-23 09:54:00

「うなぎが食べたぁ~い!!」

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少し前のお話ですが、

あるご入居者様とお話ししていたら、「もう生きていても仕方ない」というお言葉が。。。

 

その方は、移動などお一人で動くことが難しい方なのですが、意思ははっきりしています。

お部屋に入らせていただいて「何かしたいことはないの?」と尋ねてみると、

「ない」「生きていても仕方ない」と悲しいお返事が。

生きる希望が持てないのに生きているほど辛いことはないのでは・・・と思い、質問を変えて

「そっか、じゃあ、何か食べたいものはありますか?」と尋ねると、

「うなぎ!!」

「うなぎが食べたいの?」

「うなぎが食べたい!!」

「じゃあ、うなぎをご用意しましょうか?」

「うん!!」

普段は、ミキサー食をご自分で召し上がる方なのですが、もうここからは止まりません!!

「トキハのうなぎがいい。」「うなぎは刻んじゃダメよ、美味しくなくなるから」

「ご飯が下にないとダメ!!」「タレの味が付いたご飯!じゃないと美味しくない」

うな重への要望が高まります。

さっきまでの「もう生きていても仕方ない」の姿はありません。うな重を夢見て、輝いています!!

食べることへの情熱が目覚めます!!

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そして、晴れて うな重 が目の前にやってくる日が!!

目の前に現れたうな重に、感極まって、もう泣きそうな表情に。

普段はスプーンを使ってお食事をするのですが、割りばしを手に取り、「これ開けて」

おっ、お箸で食べるの?!!

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見事にお箸で、大きなうなぎをつかみ、頬張りました!!

もう夢中で、まだうな重のセッティング途中でも箸がのび、もう職員の声は一切聞こえていません。

エプロンにこぼれたタレ付きのお米粒も拾います。

 

この後、ご飯は半分残されましたが、うな重を堪能され大満足されました。

私たちが当たり前にできる「好きな時に好きなものを食べる」が小さな生きる喜びに繋がりました。

 

ちなみに、今回うなぎを約束し、ご用意させていただいた私は、「うなぎのお姉さん」と呼ばれています。